目のまえのあなたが
「ぼくには無理だよ」と
おそれの色をうかべるとき
わたしのなかの
その同じ部分が
同調し共振し
あなたをとても憎らしく
あなたなんてだいっきらいと
やみに落ち
あなたをののしろうと
口をひらくとき
もてあます
その部分が
ふるえながら悲しみを告げる
「ねえ、愛して」と
そのちいさな
こどものような
おそれにふりむいて
だきあい
なぐさめあい
ともに泣くとき
その部分は
わたしに
もう一度告げる
「さようなら」と
写真提供 知さん
うちがわが
しずかだから
はしゃげる
うちがわが
からっぽだから
みちている
うちがわに
やみがあるから
わたしたちは
ひかりかがやいている
Photo お部屋の中のクリスタル
かんぺきをもとめて
もとめて
さがして
さまよって
これだわと
かんげきして
とびついて
しばらくのあと
かんぺきでない点が見つかって
がっかりして
しつぼうさせられたと
かなしんで
そしてまた
さまよう
でもね
かんぺきなんて
どっこにもないんだ
どんな本も教えも偉人も恋人も
かみさまですら
かんぺきじゃあないって
そう、やっと
めざめることになって
なにもかもオーダーメイド
ふたつとしておなじもののない
自分自身のかたちというものが
うっすらと
見えはじめるの
霧がはれて
たましいのエクスタシーが
見えかくれしはじめるの
2008年の作品
Photo Meguroku
るぴなOfficialwebsite
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