ちいさな風にも
さざ波のようにふるえてしまう
こころのひだを
じょうぶにしようと
なん年もなん年もついやして
あきらめたその瞬間
わたしは産まれる
はだかの赤んぼうのように
つるりとももいろで
むくでむぼうびで
そしてうたがうことをしらない
つよさをひめた
わたしの真実
Phto by 知
あたしを
ここまで解体した
あなたを
憎くもあり
愛おしくもあり
塩撒いてしまえと
叫びたいときと
古傷ぺろぺろ
舐めたいときと
ぽろりぽろりと
少女になるときと
なんにしたって
あなたのことを
いつでも
浮かべているという
いつまでも
ざくっと残酷に
キャベツにナイフ
入れるあのときみたく
やわらにつつまれた
たいせつな何かに
刃物を差し入れ
それはバラバラに
解体される
ねえ教えて
あなたはいまどこに
あたたかくて大きな
手のひらをまっている
とっちらかったものごとを
魔法のようになぎはらうための
とっちらかったじぶんを
夢みたいに再生するための
これかこれかとにぎりしめては
ちがうちがうとつきはなすための
おととしの夏、新月の日にビルの谷間にねっころがって撮った写真です。
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